◆子どもをとりまく現状~日本の子どもの今をとらえた2冊の書籍から~◆
①子ども白書2006(日本子どもを守る会編)
1989年国連で子どもの権利条約が採択されて17年になりました。この条約は、子どもを保護の対象としてだけ見るのでなく、子どもは自らの育つ力を、仲間の中で発揮しながら発達・成長する存在であり、ひとりの人格として、おとなと共に地球の未来を拓き、次世代へ手渡していく主体であるととらえています。また、遊ぶこと、文化芸術に参加すること、意見を表明することなど、子どもの最善の利益を尊重する精神を謳っています。
今年も発行された「子ども白書2006」は、通常“白書”といえば政府が刊行するものですが、この日本では1964年以来、市民の手で自主的に作られてきたものです。日本の子どもたちの現実を、子どもの権利条約の視点に立ってとらえ、分野ごとにまとめられています。2006年版は昨年に引き続き「子どもを大切にする国・しない国」をメインテーマとしています。教育基本法「改正」により、国を愛することを法律で定めようとする提案の危険を指摘し、もっと学び、話し、深め合うことを提起しています。また、登下校の小学生を狙った犯罪や少年事件の続発は、日本社会全体が、子どもを大切にしない国へ進んでいることの象徴だと述べています。
②思春期の危機をどう見るか(尾木直樹著)
さらに教育評論家の尾木直樹氏はその著書で、政府がまとめた少年非行対策の基本姿勢が、「少年犯罪から社会を守る」となっていることに触れ、この、少年は加害者、社会は被害者という構図が、「子育てや子どもの問題は社会全体が責任を持つ大切な課題である」という共通認識が揺らいでいる危機を示していると述べています。
また、「少年犯罪の当事者は、多くの場合自分を見限って、自己破滅的行為としての事件を起こしている。少年犯罪は、自己肯定心情の弱さや発達不全が及ぼす、精神的な不安定さのSOSと受け止めるべきだ。自分がどんなに大きな問題をかかえていても、身近なおとなからたっぷり愛されている実感を持つことが、犯罪の抑止には必要だ。」と語り、どんなに揺れる心にも伴走する、サポーターとしてのおとなの役割の必要性を示しています。おとなが「おとなにとって好ましい子ども像」をつくり、そういう子どもをつくる運動をしてはいないかとの問題提起、とりわけ自我に目覚め、おとなから自立し、自己確立を図ろうともがく思春期の子どもには、形式の強要はますますおとなとの距離を広げ、「おとなはそんなもの」という見限りのおとな観をつくってしまうと危惧しています。
①子ども白書2006(日本子どもを守る会編)
1989年国連で子どもの権利条約が採択されて17年になりました。この条約は、子どもを保護の対象としてだけ見るのでなく、子どもは自らの育つ力を、仲間の中で発揮しながら発達・成長する存在であり、ひとりの人格として、おとなと共に地球の未来を拓き、次世代へ手渡していく主体であるととらえています。また、遊ぶこと、文化芸術に参加すること、意見を表明することなど、子どもの最善の利益を尊重する精神を謳っています。
今年も発行された「子ども白書2006」は、通常“白書”といえば政府が刊行するものですが、この日本では1964年以来、市民の手で自主的に作られてきたものです。日本の子どもたちの現実を、子どもの権利条約の視点に立ってとらえ、分野ごとにまとめられています。2006年版は昨年に引き続き「子どもを大切にする国・しない国」をメインテーマとしています。教育基本法「改正」により、国を愛することを法律で定めようとする提案の危険を指摘し、もっと学び、話し、深め合うことを提起しています。また、登下校の小学生を狙った犯罪や少年事件の続発は、日本社会全体が、子どもを大切にしない国へ進んでいることの象徴だと述べています。
②思春期の危機をどう見るか(尾木直樹著)
さらに教育評論家の尾木直樹氏はその著書で、政府がまとめた少年非行対策の基本姿勢が、「少年犯罪から社会を守る」となっていることに触れ、この、少年は加害者、社会は被害者という構図が、「子育てや子どもの問題は社会全体が責任を持つ大切な課題である」という共通認識が揺らいでいる危機を示していると述べています。
また、「少年犯罪の当事者は、多くの場合自分を見限って、自己破滅的行為としての事件を起こしている。少年犯罪は、自己肯定心情の弱さや発達不全が及ぼす、精神的な不安定さのSOSと受け止めるべきだ。自分がどんなに大きな問題をかかえていても、身近なおとなからたっぷり愛されている実感を持つことが、犯罪の抑止には必要だ。」と語り、どんなに揺れる心にも伴走する、サポーターとしてのおとなの役割の必要性を示しています。おとなが「おとなにとって好ましい子ども像」をつくり、そういう子どもをつくる運動をしてはいないかとの問題提起、とりわけ自我に目覚め、おとなから自立し、自己確立を図ろうともがく思春期の子どもには、形式の強要はますますおとなとの距離を広げ、「おとなはそんなもの」という見限りのおとな観をつくってしまうと危惧しています。
◆子ども劇場にできること◆
では私たちが、子ども劇場でできることは何でしょうか。それはいま、会員みんなで力をあわせることだと思います。ひとりひとり、考え方も大切に思うことも違うと思います。けれど、共感しあえる大きな一致点は「子どもを大切にする社会」という未来へ向かうことではないでしょうか。ひとつひとつの活動の意味や、組織の基本であるサークルづくりの意味を深くとらえなおし、子どもの権利条約の精神が輝く未来へ向かって、子どもをとりまく状況を変えていく力を持ちたいと思います。
①舞台芸術と出会う
私たちは舞台芸術という、「創造者と観客が、時間と空間を共有する生きた芸術」に出会う活動を大切にしています。それは、覚えたり、教えられたりするのではなく、まして競争するのでもなく、感じることを大切にした、感性を揺さぶる出会いであり、心に元気をみなぎらせてくれます。子どもたちが、仲間と共に時代を切り開く主権者の一員として、自分の人生をいかに豊かに生き抜く力を育てるか。これは目には見えにくい力だけれど、仲間の中で心を開き、感じたことを自由に語り合う日常の中で、培われていくものだと思います。
②遊ぶ
また、遊び心を鍛え、遊び合い表現し合い、遊び込むことも重要な活動の柱です。遊びの中でひとは、互いの間にあるものや互いの距離を感じます。働きかけ、働きかけられ、呼応し、互いに受け入れあうことを実感するのだと思います。ことにキャンプなどのように、管理、保護され、必要なものはすべて与えられる環境ではなく、自然を相手にし、必ずしも思い通りにならない環境の中で、主体性を求められたとき、ひとは大きく成長できる気がします。関わりあう力、コミュニケーションの力、弱点や矛盾も受け入れあう関係など、遊びあう中で培われていくのです。実践を通して、子どもたちは遊びたがっているし、心を動かしたがっていると感じます。いま、おとなの遊び心と、創りあう感性こそ求められていると思います。
③参画する
子ども劇場への関わり方はいろいろあります。それぞれが自分のスタイルで関わることができます。肝心なのは楽しむこと。はじめは楽しむことから、そして続けていくうちにますます楽しむことです。それは、子どもを大切にする社会づくりという大きなロマンに向かって、呼びかけあい、呼応しあいながら、力を出し合い大きな力にしていくという壮大な営みです。
では私たちが、子ども劇場でできることは何でしょうか。それはいま、会員みんなで力をあわせることだと思います。ひとりひとり、考え方も大切に思うことも違うと思います。けれど、共感しあえる大きな一致点は「子どもを大切にする社会」という未来へ向かうことではないでしょうか。ひとつひとつの活動の意味や、組織の基本であるサークルづくりの意味を深くとらえなおし、子どもの権利条約の精神が輝く未来へ向かって、子どもをとりまく状況を変えていく力を持ちたいと思います。
①舞台芸術と出会う
私たちは舞台芸術という、「創造者と観客が、時間と空間を共有する生きた芸術」に出会う活動を大切にしています。それは、覚えたり、教えられたりするのではなく、まして競争するのでもなく、感じることを大切にした、感性を揺さぶる出会いであり、心に元気をみなぎらせてくれます。子どもたちが、仲間と共に時代を切り開く主権者の一員として、自分の人生をいかに豊かに生き抜く力を育てるか。これは目には見えにくい力だけれど、仲間の中で心を開き、感じたことを自由に語り合う日常の中で、培われていくものだと思います。
②遊ぶ
また、遊び心を鍛え、遊び合い表現し合い、遊び込むことも重要な活動の柱です。遊びの中でひとは、互いの間にあるものや互いの距離を感じます。働きかけ、働きかけられ、呼応し、互いに受け入れあうことを実感するのだと思います。ことにキャンプなどのように、管理、保護され、必要なものはすべて与えられる環境ではなく、自然を相手にし、必ずしも思い通りにならない環境の中で、主体性を求められたとき、ひとは大きく成長できる気がします。関わりあう力、コミュニケーションの力、弱点や矛盾も受け入れあう関係など、遊びあう中で培われていくのです。実践を通して、子どもたちは遊びたがっているし、心を動かしたがっていると感じます。いま、おとなの遊び心と、創りあう感性こそ求められていると思います。
③参画する
子ども劇場への関わり方はいろいろあります。それぞれが自分のスタイルで関わることができます。肝心なのは楽しむこと。はじめは楽しむことから、そして続けていくうちにますます楽しむことです。それは、子どもを大切にする社会づくりという大きなロマンに向かって、呼びかけあい、呼応しあいながら、力を出し合い大きな力にしていくという壮大な営みです。
サークルという身近な場所で関わりを持つこと、
例会や自主活動に関わり思いを声にすること、
周りに声をかけ仲間を広げること。
今ここからはじまる未来を、
心を寄せ、
力をあわせて創っていきましょう。
例会や自主活動に関わり思いを声にすること、
周りに声をかけ仲間を広げること。
今ここからはじまる未来を、
心を寄せ、
力をあわせて創っていきましょう。
福岡西部子ども劇場
〒814-0022 福岡市早良区原1-33-4 Tel 092-841-4722 Fax 092-841-4724 e-mail: codomo-nj@nifty.com お問合せはこちら |
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